Network Working Group S. Olson Request for Comments: 3266 Microsoft Updates: 2327 G. Camarillo Category: Standards Track Ericsson A. B. Roach dynamicsoft June 2002 セッション記述プロトコル(SDP)におけるIPv6の対応 Support for IPv6 in Session Description Protocol (SDP) 本文書の位置付け この文書は、インターネットコミュニティのためのインターネット標準トラッ クプロトコルを規定するものであり、改善のための議論や提案を依頼するもの である。標準化の段階や、プロトコルの位置付けについては、最新版の "Internet Official Protocol Standards" (STD 1)を参照されたい。この文書 の配信は無制限である。 著作権表記 Copyright (C) The Internet Society (2002).All Rights Reserved. 概要 本文書は、Internet Protocol Version 6 (IPv6)アドレスをセッション記述プ ロトコル(Session Description Protocol/SDP)と連携して使用する方法につい て説明する。また、特にIPv6の構文に関して、既存のSDPのテキストを明確に する。 1. はじめに SDPは、セッション告知、セッションの招待などの形式を持つマルチメディア セッションの開始という目的で、マルチメディアセッションを記述するための プロトコルである。SDPは、多様なマルチメディアセッション(セッションの発 信元、セッションに関連するURL、セッションメディアの接続アドレス、およ びセッションメディアのオプション属性など)の詳細を示す、テキスト形式の 記述である。このような情報の各部分に、1つ以上のIPv6アドレスが関係する 可能性がある。現在のところ、SDPのIPアドレスのABNFでは、IPv6アドレスの 構文は未定義のままであるる本文書の目的は、IPv6アドレスを含めてABNFを完 成させることである。 それに従って、IPv6アドレスを示すアドレスタイプ「IP6」は、SDPの接続 フィールド「c=」で許容すべきである。これはABNFですでに反映しているが、 現在のところ、RFC 2328のセクション6にある「Connection Data」の説明で は、「IP4」アドレスタイプのみを定義している。 Olson, et. al. Standards Track [Page 1] RFC 3266 Support for IPv6 in Session Description Protocol June 2002 2. 用語 本文書では、キーワード「MUST」、「MUST NOT」、「REQUIRED」、 「SHALL」、「SHALL NOT」、「SHOULD」、「SHOULD NOT」、 「RECOMMENDED」、「MAY」、「OPTIONAL」はRFC 2119[5]に記載されるとおり に解釈されるべきである。 3. 構文 RFC 2373 [1]は、付録BでIPv6アドレスのテキスト表記に関してABNFを提示し ている。RFC 2732 [3]は、URL内で使用されるときのIPv6アドレスのテキスト 表記について記載している。これらのドキュメントに記述されているABNFを使 用して、SDPのABNFを更新したものを次に提案する。 uri = ; RFC1630とRFC2732で定義されている multicast-address = IP4-multicast / IP6-multicast IP4-multicast = m1 3*( "." decimal-uchar ) "/" ttl [ "/" integer ] ; IPv4マルチキャストアドレスは、224.0.0.0 ; から239.255.255.255の範囲に含まれる可能 ; 性がある m1 = ("22" ("4"/"5"/"6"/"7"/"8"/"9")) / ("23" DIGIT )) IP6-multicast = hexpart ; FFで始まるIPv6アドレス addr = FQDN / unicast-address FQDN = 4*(alpha-numeric/"-"/".") ; RFC1035で規定されている完全修飾ドメイン ; 名 unicast-address = IP4-address / IP6-address IP4-address = b1 3*("." decimal-uchar) / "0.0.0.0" b1 = decimal-uchar ; 「224」未満、「0」と「127」以外 ; 次行はRFC2373の付録Bから。直接のコピー。 IP6-address = hexpart [ ":" IP4-address ] hexpart = hexseq / hexseq "::" [ hexseq ] / "::" [ hexseq ] Olson, et. al. Standards Track [Page 2] RFC 3266 Support for IPv6 in Session Description Protocol June 2002 hexseq = hex4 *( ":" hex4) hex4 = 1*4HEXDIG 4. IPv6アドレスを含むSDP記述の例 前述のIPv6アドレスのABNFを使用したSDP記述の例を次に示す。特に、origin とconnectionフィールドにIPv6アドレスが含まれる。 v=0 o=nasa1 971731711378798081 0 IN IP6 2201:056D::112E:144A:1E24 s=(Almost) live video feed from Mars-II satellite p=+1 713 555 1234 c=IN IP6 FF1E:03AD::7F2E:172A:1E24 t=3338481189 3370017201 m=audio 6000 RTP/AVP 2 a=rtpmap:2 G726-32/8000 m=video 6024 RTP/AVP 107 a=rtpmap:107 H263-1998/90000 5. 実装者への注記 実装では、[1]の形式が内部的にはIPv4のマップ済みアドレスの形式である、 IPv6アドレスを含むSDPセッション記述を受信する可能性がある。このような アドレスは、実際にはIPv4アドレスのみのノードであり、実装時にはIPv4の マップ済みアドレスをIP4と同等として解釈する必要がある。 6. IANA条項 本文書は、RFC 2327に記載されているIP6 addrtypeパラメータの定義を更新す る。 7. セキュリティの考慮事項 RFC 2327のセクション7に記載されている考慮事項に追加はない。 8. 参考文献 [1] Hinden, R. and S. Deering, "IP Version 6 Addressing Architecture", RFC 2373, July 1998. [2] Handley, M. and V. Jacobson, "SDP: Session Description Protocol", RFC 2327, April 1998. Olson, et. al. Standards Track [Page 3] RFC 3266 Support for IPv6 in Session Description Protocol June 2002 [3] Hinden, R., Carpenter, B. and L. Masinter, "Format for Literal IPv6 Addresses in URL's", RFC 2732, December 1999. [4] Crocker, D. and P. Overell, "Augmented BNF for Syntax Specifications: ABNF", RFC 2234, November 1997. [5] Bradner, S., "Key words for Use in RFCs to Indicate Requirement Levels", BCP 14, RFC 2119, March 1997. 9. 著者の連絡先 Sean Olson Microsoft One Microsoft Way Redmond, WA 98052 USA EMail: seanol@microsoft.com Gonzalo Camarillo Ericsson Advanced Signalling Research Lab. FIN-02420 Jorvas Finland Phone: +358 9 299 3371 Fax: +358 9 299 3118 EMail: Gonzalo.Camarillo@ericsson.com Adam Roach dynamicsoft 5100 Tennyson Parkway Suite 1200 Plano, TX 75024 USA EMail: adam@dynamicsoft.com Voice: Olson, et. al. Standards Track [Page 4] RFC 3266 Support for IPv6 in Session Description Protocol June 2002 10. 完全な著作権表示 Copyright (C) The Internet Society (2002).All Rights Reserved. 本記述とその翻訳はコピーし他に提供することができる。また論評を加えた派 生的製品や、この文書を説明したり、その実装を補助するもので、上記の著作 権表示およびこの節を付加するものはすべて、全体であってもその一部であっ ても、いっさいの制約を課されること無く、準備、複製、発表、配布すること ができる。しかし、この文書自体にはいかなる方法にせよ、著作権表示やイン ターネット協会もしくは他のインターネット関連団体への参照を取り除くなど の変更を加えてはならない。インターネット標準を開発するために必要な場合 は例外とされるが、その場合はインターネット標準化過程で定義されている著 作権のための手続きに従わなければならない。またRFCを英語以外の言語に翻 訳する必要がある場合も例外である。 以上に述べられた制限は永久的なものであり、インターネット協会もしくはそ の継承者および譲渡者によって破棄されることはない。 本文書とここに含まれた情報は「無保証(AS IS)」で提供され、インターネッ ト協会およびIETFは、この情報がいかなる権利も侵害していないという保証、 商用利用および特定目的への適合性への保証を含め、また、これらだけに限ら ずすべての保証について、明示的もしくは暗黙的の保証は行われない。 謝辞 RFC編集職務のための資金は、現在、インターネット協会によって提供されて いる。 ----------------------------------------------------------------------- 本文書は、RFCの原文を元に、株式会社ソフトフロントが日本語に翻訳したもの です。本翻訳物の著作権は、株式会社ソフトフロントが保持しています。ただ し、この権利の設定は原文から新たな翻訳を作成し公開することを妨げるもの ではありません。本翻訳物は、本著作権表示を含めて改変しないことを条件に 再配布を許可します。翻訳の正確さについては一切保証しません。原文とあわ せてご利用ください。 2005年 ----------------------------------------------------------------------- Olson, et. al. 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