ご挨拶

ご挨拶

昨年、あるベンチャー企業のCTOと話す機会がありました。彼が言ったのです。「生成AIの進歩が速すぎて、自社で何をやるべきか、毎週見直している」私はその言葉を聞いて、「これは他人事ではない」と感じました。私たちソフトフロントグループも同じだからです。

生成AIの登場によって、企業を取り巻く環境は大きく変わりました。情報を蓄積し、管理することが競争力だった時代から、AIを活用して知識を生み出し、業務を変革する時代へと移りつつあります。その変化の大きさは理解していたつもりでした。しかし振り返ってみると、どこかで過去の延長線上で未来を考えていた自分がいたように思います。だから、改めて決めました。従来の延長線ではやらない。やるなら、新しい土俵で勝負する。

ソフトフロントグループは創業以来、「聞く・話す・読む・書く」を支えるソフトウェアを提供してきました。音声技術、CMS、SaaSサービス。どれもお客様とともに育ててきた事業であり、私たちにとって大切な資産です。しかし、それだけに満足していては次の10年はありません。今、私たちはAIを活用した企業向けサービスから、それを支える基盤領域まで、事業領域を大きく広げています。

もちろん、簡単な挑戦ではありません。新しい市場には新しい競争相手がいます。思い通りにいかないことも数多くあるでしょう。それでも、私たちはゼロから挑戦するわけではありません。長年培ってきた通信技術、音声技術、顧客基盤、精度高く蓄積されてきたナレッジがあります。どれほど優れた技術であっても、企業の業務や知識と結び付かなければ、真の価値は生まれません。私たちは長年、お客様の現場と向き合ってきたからこそ、この変化の時代に挑戦する意味があるのです。

私たちが目指しているのは、単なるソフトウェア企業ではありません。AIを支える「Infrastructure」と、人とAIをつなぐ「Intelligence」の両方を提供する企業です。AI活用を支える基盤から、企業の現場で価値を生み出す仕組みまで、一貫して提供できる存在を目指しています。

また、AIの普及は新たな可能性をもたらす一方で、計算資源や電力需要の増加という新たな課題も生み出しています。私たちはAIインフラを支えるグリーンエネルギーや蓄電領域にも取り組み、テクノロジーの発展と持続可能な社会の両立を目指してまいります。

創業以来、私たちが大切にしてきたのは、技術そのものではなく、「技術で何を実現するか」という視点でした。その考え方は、これからも変わりません。私たち自身も、まだ挑戦の途中です。変化を恐れない。失敗を恐れない。挑戦した先にしか、次のソフトフロントグループの姿はないと信しています。私たちは、変化を待つ側ではなく、変化を創る側でありたい。お客様、株主の皆様、パートナーの皆様とともに、新しい価値を創り続けてまいります。今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2026年6月

株式会社ソフトフロントホールディングス

代表取締役社長 時 慧